引き続き「知識」に関わるところ、「3章の続き」を見ていきます
これまでは、この「知識」に入る前の準備の記事を書いてきました
闇雲に勉強を始めても、効率が悪いと最短距離が走れないので
読んでない方は是非読んで頂けると、これからの内容とリンクしやすいと思います
内容はタイトル通りです
全10ブロックを比較した結果です
効率の良い勉強のために役に立つと思います
これだけ覚えておけば試験勉強は十分と言っても過言ではないと思います
☑本記事のテーマ
4-2「胃・腸・便・強心・高コレステロール・貧血」
ここでは3章で出題される40問のうち11問目~20問目くらいによく出る問題について解析していきます。
- よく出ること
- 問題を解く上でのポイント
です。
この記事は令和4年3月の改訂内容は反映していませんが、
令和4年以降の試験にも出ることがほとんどです。
3章は問題数が多いし、難しいですよね…。
そうですね。そう思っている人がほとんどだと思います。
プリンさんは、なんで「難しい」と思うんですか?
なんでって、覚えることがたくさんあるし、カタカナばっかだし、漢方とか生薬とか漢字もあるし…
なかなか出来るようにならないというか、覚えられないんですよ!
ですよね。でも、全部覚えなくても大丈夫ですよ。
ここの言葉と内容だけ覚えておくだけで、十分だと思います。
まずはこれらを身に付けましょう!
ちょっと言い過ぎかもしれませんが、これから出てくる言葉とポイントを覚えるためには、
結果的に色々な知識に肉付けが出来ると思うので、それを含めこれだけで十分という意味です
でも、1章・2章同様にパターンがあるので十分対策できます
問題数が多い分、都道府県ごとの出題の順番の前後が目立ちましたが、
基本的に 試験問題の作成に関する手引き 通り以下の順番で出題されています
出題されることと順番がある
このことはそんなに大事ではありませんが、
知っていると勉強しやすいと思います
3章は「主な医薬品とその作用」がテーマです
- 1~8問目(8問) 精神神経に作用する薬
- 9~11問目(3問) 呼吸器系に作用する薬
- 12~16問目(5問) 胃腸に作用する薬
- 17問目~20問目(4問) 心臓などの器官や血液に作用する薬
- 21問目 排泄に関わる部位に作用する薬
- 22問目・23問目(2問) 婦人薬
- 24問目・25問目(2問) 内服アレルギー薬
- 26問目 鼻に用いる薬(鼻炎用点鼻薬)
- 27問目 眼科用薬
- 28問目・29問目(2問) 皮膚に用いる薬
- 30問目 皮膚に用いる薬
- 31問目 歯や口中に用いる薬
- 32問目 禁煙補助剤
- 33・34問目(2問) 滋養強壮保健薬
- 35・36問目(2問) 漢方処方・生薬
- 37・38問目(2問) 公衆衛生用薬
- 39・40問目(2問)一般用検査薬
基本的に、全国の試験問題がこの順番で問題を出します
試験問題の作成に関する手引きの順番通りです
(都道府県によって前後・増減あり)
では、問題の内容を見ていきましょう
テキストの文字をそのままでは、ここにまとめる意味がないと思っているので、
以下はたまご風対試験用です=覚えておくと試験問題が解けるです
さすがに3章は量が多くなってしまいました
目次から探していただくのがいいと思います
12問目 胃腸に作用する薬
- 吐き気や嘔吐は、延髄にある嘔吐中枢
胃の薬
制酸成分(中和)
- 炭酸飲料等での服用×(酸性が×だから)
合成ヒドロタルサイト
- 透析×
- アルミニウム脳症
- アルミニウム骨症
酸化マグネシウム
・瀉下成分にも使われる
炭酸マグネシウム
炭酸水素ナトリウム(重層)
沈降炭酸カルシウム
- 腸の吸着成分にも使われる
健胃成分
苦みによる健胃作用
服用時オブラートなど使わない
- オウバク(黄柏)/タンニン酸類似
- オウレン(黄連)/タンニン酸類似
- センブリ(千振)
- リュウタン(竜胆)
- ユウタン(熊胆)
香りによる健胃作用
服用時オブラートなど使わない
- ケイヒ(桂皮)
- ショウキョウ(生姜)
- チンピ(陳皮)
- ソウジュツ(蒼朮)
消化成分
リパーゼ
- 脂質
ジアスターゼ(アミラーゼ)
- デンプン
- 単糖類(ブドウ糖など)
ウルソデオキシコール酸
- 脂質
- 胆汁の分泌(利胆作用)
胃粘膜保護・修復成分
アルジオキサ
- 透析×
- アルミニウム脳症
- アルミニウム骨症
スクラルファート
- 透析×
- アルミニウム脳症
- アルミニウム骨症
セトラキサート塩酸塩
- 血栓ある人×
(代謝されてトラネキサム酸を生じる)
アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)
- うがい薬・目薬にも配合されている
ソファルコン・テプレノン
- まれに肝機能障害
銅クロロフィリンナトリウム
メチルメチオニンスルホニウムクロライド
消泡成分
ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)
- 消泡成分といったらこれしかない
13問目 胃腸に作用する薬
胃液分泌抑制成分
- 副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンの働きを抑える
- 胃腸鎮痛鎮痙薬にも使われる
ロートエキス
- 胃腸鎮痛鎮痙薬と乗物酔い防止薬にも配合されている
ピレンゼピン塩酸塩
- 胃腸鎮痛鎮痙薬と乗物酔い防止薬にも配合されている
- 消化管の運動には影響を与えずに胃液の分泌を抑える
- 消化管以外では抗コリン作用のため、排尿困難・動悸・目のかすみに注意
- 緑内障×
胃の漢方薬
安中散
- げっぷ
平胃散
- 甘草含む
- 腹が鳴って下痢
六君子湯
- 甘草含む
- 貧血で手足が冷えやすい
人参湯(理中丸)
- 甘草含む
- 体力虚弱で手足が冷えやすい
14問目 胃腸に作用する薬
腸の薬
小腸
- 水分の大半を吸収(消化と栄養分の吸収も)
- 働きは自律神経系
- 十二指腸・空腸・回腸
- 絨毛がある
大腸
- 水分量の調整・電解質の吸収=糞便
- 糞便の大半は水分、食物の残滓は5%
- 働きは自律神経系
- 絨毛がない
- 腸内細菌(腸内フローラ)
整腸成分
トリメブチンマレイン酸塩
- 消化管(胃及び腸)の平滑筋に直接作用して、消化管の運動を調整
- まれに肝機能障害
ビフィズス菌
ゲンノショウコ・ケツメイシ
止瀉成分
収斂成分
- 細菌性の下痢・食中毒の時は×
ロペラミド塩酸塩
- 15歳未満×
- イレウス様症状
- ショックアナフィラキシー
- 皮膚粘膜眼症候群
- 中毒性表皮壊死融解症
- めまい・眠気・乳汁中
タンニン酸アルブミン
- 牛乳アレルギー×
- オウバク・オウレン・ゴバイシ(五倍子)もタンニン酸やその類似
次没食子酸ビスマス・次硝酸ビスマス
- 海外で長期連用した場合、精神神経症状が現れたことあり(5章でも出る)
- オウバク・オウレンはビスマス含む(殺菌・抗炎症作用も有る)
腸内殺菌成分
ベルべリン塩化物
- オウバク・オウレンはビスマス含む(殺菌・抗炎症作用も有る)
タンニン酸ベルべリン
- オウバク・オウレンはビスマス含む(殺菌・抗炎症作用も有る)
- タンニン酸(収斂作用)+ベルべリン(抗菌作用)
木クレオソート
- 局所麻酔作用
- 腸内の蠕動運動を調整
- 水分や電解質の分泌も抑える
- 歯痛薬(外用)にも入っている
吸着成分
- 炭酸カルシウム
- 沈降炭酸カルシウム(制酸成分としても入っている)
瀉下成分
刺激性瀉下成分は繰り返して使うと効果が悪くなる
ヒマシ油
- 小腸刺激性成分はこれしかない
- 急激で強い瀉下作用
- 防虫剤・殺鼠剤の誤飲のときは×
- 駆虫薬併用×
ビサコジル
- 大腸刺激性瀉下成分
- 服用前後1時間は制酸成分・牛乳×
ピコスルファートナトリウム
- 大腸刺激性瀉下成分
- 服用前後1時間は制酸成分・牛乳×
センナ・センノシド
- 大腸刺激性瀉下成分
- 妊婦×
ダイオウ(大黄)
- 大腸刺激性瀉下成分
酸化マグネシウム(制酸成分としても使われる) 硫酸マグネシウム
- 大腸刺激性瀉下成分
- 腸内容物の浸透圧を高め、糞便中の水分量を増す
(膨潤性成分との違い) - 腎臓病注意
カルメロースナトリウム
- 膨潤性瀉下成分
- 腸管内で水分を吸収して腸内容物に浸透し、糞便のかさを増やす
(マグネシウムとの違い)
プランタゴ・オバタ
- 膨潤性瀉下成分
- 腸管内で水分を吸収して腸内容物に浸透し、糞便のかさを増やす
(マグネシウムとの違い) - オオバコ科
ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS)
- 糞便中の水分を増やして柔らかくする
マルツエキス
- 乳幼児用
- 麦芽糖
腸の漢方薬
大黄甘草湯
- 甘草含む
- 大黄含む
- 体力に関わらず広く応用
麻子仁丸
- 大黄含む
- 便が固く塊状(ウサギのフンのような)
桂枝加芍薬湯
- 甘草含む
- しぶり腹
15問目 胃腸に作用する薬
胃腸鎮痛鎮痙薬
- 副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンの働きを抑える
- 15歳未満は×
抗コリン成分
消化管からよく吸収されて脳内に移行しやすいが、肝臓で速やかに代謝されるため作用時間は短い
- ブチルスコポラミン臭化物
- ジサイクロミン塩酸塩
- メチルベナクチジウム臭化物
- オキシフェンサイクリミン塩酸塩
- ロートエキス/授乳中×
パパベリン塩酸塩
- 消化管の平滑筋に直接働いて、胃腸の痙攣を鎮める
- 抗コリン成分とは違い、胃液分泌を抑える作用はない
- 眼圧は上昇する=緑内障×
局所麻酔成分
アミノ安息香酸エチル
- メトヘモグロビン血症
オキセサゼイン
- 胃腸鎮痛鎮痙と制酸の両方によい
エンゴサク(延胡索)
・鎮痛鎮痙作用
16問目 胃腸に作用する薬
浣腸薬(注入剤)
早産・流産を誘発
グリセリン
- 排便時の血圧低下/立ちくらみ
- 肛門・直腸に傷あるときは×
- 浸透圧の差によって腸管壁から水分を取り込んで直腸粘膜を刺激
炭酸水素ナトリウム
- 炭酸ガスを発生させ直腸を刺激
駆虫薬
- 市販薬の対象は回虫と曉虫(ぎょうちゅう)のみ
- ヒマシ油との併用×
サントニン
- 回虫の自発運動を抑える
カイニン酸
- 回虫に痙攣を起こさせる
- マクリ(海人草)が配合されていることもある
ピペラジンリン酸塩
- 回虫および蟯虫の、アセチルコリン伝達を妨げて運動筋を麻痺
パモ酸ピルビニウム
・曉虫の呼吸や栄養分の代謝を抑える
・赤色の成分/便が赤くなることもある
17問目 心臓などの器官や血液に作用する薬
強心薬
- 動悸とは/脈拍数を増やし、血液の不足を補おうとする
- 息切れとは/意識的な呼吸運動
- 心臓は心筋
生薬
センソ(蟾酥)
- ヒキガエル
- 噛まずに服用
- 5mgまで
ジャコウ(麝香)
- 麝香鹿の雄の麝香腺分泌物
- 小児疳でも出題
ロクジョウ(鹿茸)
- マンシュウアカ鹿の幼角
ゴオウ(牛黄)
- 小児疳でも出題
シンジュ(真珠)
リュウノウ(竜脳・龍脳)
漢方薬
苓桂朮甘湯
- 甘草含む
- 強心作用はないが、利尿作用により、水毒を排出
18問目 心臓などの器官や血液に作用する薬
その他の成分
コエンザイムQ10(ユビデカレノン)
- 食品の1つである(サプリメントに多い)
- エネルギー代謝に関与する
- 心筋の働きを助け血液循環を改善
ヘプロニカート
- ニコチン酸の働きで、末梢の血液循環を改善
- ビタミンEと引っかけ問題に注意
イノシトールヘキサニコチネート
- ニコチン酸の働きで、末梢の血液循環を改善
- ビタミンEと引っかけ問題に注意
ルチン
- 毛細血管の補強・強化
生薬
コウカ(紅花)
- 末梢血行促進して鬱血を除く
漢方薬
三黄瀉心湯
- ダイオウ(大黄)含む
- 鼻血/便秘/血の道症
七物降下湯
- 高血圧を伴うのぼせ・肩こりなど
19問目 心臓などの器官や血液に作用する薬
高コレステロール
- 産生・代謝は主に肝臓
- 脂なので水に溶けにくい
- 痩身効果を目的としてはいない
- LDL(悪玉コレステロール)
- HDL(善玉コレステロール)
- 脂質異常症/LDL140以上/HDL40未満/中性脂肪150以上のいずれか
大豆油不鹸化物(ソイステロール)
- 腸管におけるコレステロールの吸収を抑える
リノール酸・ポリエンホスファチジルコリン
- 肝臓でコレステロールの代謝を促す
パンテチン
- LDLの排出を促し、HDL産生を高める
ビタミンB2(リボフラビン)
- 脂質の代謝
- 尿が黄色くなるが問題ない
- コレステロールの生合成抑制・排泄促進・過酸化脂質の分解
ビタミンE
- 末梢血行の促進
- 過酸化脂質の産生を抑える
20問目 心臓などの器官や血液に作用する薬
貧血用薬(鉄製剤)
鉄欠乏性貧血
- 食前後のタンニン酸(お茶・コーヒー)の摂取×
- 予防的な服用は×
- 以下の金属成分の引っかけ問題に注意
鉄分
- 赤血球がヘモグロビンの産生に必要(ヘモグロビンは酸素運搬)
- 鉄分が減りすぎると、ヘモグロビンが産生されなくて貧血になる
- 便が黒くなることがある
銅
- 鉄の代謝や輸送が役割
コバルト
- 骨髄での造血機能を高める
マンガン
- 糖質・脂質・タンパク質の代謝
- エネルギー合成を促進
ビタミン欠乏性貧血
- ビタミンB12が不足からの、巨赤芽球貧血(悪性貧血)
- ビタミンB12は赤血球の産生に必要不可欠
- ビタミンC(アスコルビン酸)は鉄が消化管で吸収されやすい状態を保つ
まとめ 1問目~20問目で出てくる漢方薬のうち 甘草含むものと、含まないもの
カンゾウ(甘草)含むもの/その他ポイント
「1問目~10問目」
- 葛根湯/マオウも含む/かぜ
- 麻黄湯/マオウも含む/かぜ
- 小青竜湯/マオウも含む/水溶の痰・鼻水/アレルギー性鼻炎
- 小柴胡湯/インターフェロン製剤/間質性肺炎
- 柴胡桂枝湯/吐き気のある胃腸炎/かぜの中期~後期
- 桂枝湯/かぜ/体力虚弱
- 麦門冬湯/かぜ/水溶痰が多い人は不向き/から咳(乾いた咳)
- 芍薬甘草湯/鎮痛/こむらがえり
- 薏苡仁湯/マオウも含む/鎮痛
- 麻杏薏甘湯/マオウも含む/鎮痛
- 酸棗仁湯/鎮静
- 加味帰脾湯/鎮静
- 抑肝散/鎮静
- 桂枝加竜骨牡蛎湯/鎮静
- 小建中湯/小児
- 柴朴湯/咳/小柴胡合半夏厚朴湯と呼ばれることもある
- 五虎湯/マオウも含む/咳が強く出る/痔
- 麻杏甘石湯/マオウも含む/咳/感冒/痔
- 神秘湯/マオウも含む/喘鳴/痰が少ないものの小児喘息
- 桔梗湯/咳/扁桃炎・扁桃周囲炎
- 百虎加人参湯/咳/湿疹・皮膚炎
「11問目~20問目」
- 平胃散/胃/腹が鳴って下痢
- 六君子湯/胃/貧血で手足が冷えやすい
- 人参湯(理中丸)/胃/体力虚弱で手足が冷えやすい
- 大黄甘草湯/大黄も含む/便秘/体力に関わらず広く応用
- 桂枝加芍薬湯/便秘/しぶり腹
- 苓桂朮甘湯/強心作用はないが、利尿作用により水毒を排出
カンゾウ(甘草)含まないもの/その他ポイント
「1問目~10問目」
- 半夏厚朴湯/かぜ/咳/しわがれ声
- 呉茱萸湯/鎮痛
- 柴胡加竜骨牡蛎湯/大黄含む/鎮静/体力中等度以上/動悸・便秘を伴う
「12問目~20問目」
- 安中散/胃/げっぷ
- 麻子仁丸/大黄含む/便秘/便が固く塊状(ウサギのフンのような)
- 三黄瀉心湯/大黄含む/循環器用薬/鼻血/便秘/血の道症
- 七物降下湯/循環器用薬/高血圧を伴うのぼせ・肩こりなど
お疲れ様でした。以上が11問目~20問目くらいによく出る問題でした。
僕が使っているテキストはこちらです
最後まで読んで頂きありがとうございました
次回は3章の続きです
youtubeでこういった関連動画もあげているので、是非ご覧ください
勉強は自分で調べて繰り返すことに意味があると思っていますが、
答えだけでなく問題の解き方考え方も分かると思うので良かったらご覧下さい
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